ボウル部分の黒い模様は元々は虫喰いの痕。
以前、ナイフ作家の大泉聖史さんに瘤の穴の埋め方を教わったので、試したら虫が移動した跡を見られるような楽しい感じに^^ 無理に傷痕を消すのではなく残して見せるのがブッシュクラフト流。​​​​​​​
野外用パイプには蓋は必須。無いと移動中に吸い殻の灰が外に出てしまいます^^;目安は蓋を外した時に「ポン!」と音が鳴るくらいきっちり嵌っていればOK。ボクは革で自作したけど手軽なところでワインのコルク栓でもいいかもしれない。
マウスピース(吸口)は竹の根の削り出し。
一般に使われる素材のエボナイト(硬質ゴム)やアクリル樹脂に比べて軽いです。中の煙道を掃除するために取り外せる仕組みになっています。自作の場合はここのダボ加工の調節が一番難しいかもです。
他の特徴として下の「竹のパイプスタンド」はスタンド以外にも「コンパニオン※」としての機能も併用しています。※パイプ喫煙で必要な3つの道具が1つになってます。普通は金属ですが竹でも全然問題なし、超軽量。竹って凄いな^^
まずは「スプーン」
喫煙後の煙草の灰をかき出したり^^​​​​​​​
そして「タンパー」
煙草を押さえたり、整えたり、火種を移動したりと一番使います。
竹で作る場合は節のところを利用するといいです。
最後に「ピック」 詰めた煙草を掻き混ぜたり、刺して空気の流れを調整したりします。ただ、調子のいいときは殆ど出番無し。
ライターはボウルの淵を焦がしやすいのでマッチが一番火を着けやすいです。パイプ用の葉は様々な種類があるのですが、こちらも奥が深いので色々試して好みに合った物を見つけて下さい。ただ、自分で作ったパイプで吸うとどんな葉も美味しく感じてしまう…やっぱり気分て大事やね^^;
煙草の葉はタンパーを使うより感覚が分かりやすいのでボクは指で詰めてます。詰め加減はカステラを押したくらいでしょうか。あと長くゆっくり燻らせるにはボウルの穴の大きさが直径1.8〜2cm、深さはその2倍くらいあるといいです。

あと、パイプと普通の紙タバコの違いは、簡単に例えると紙タバコは3分程度で終わりますがパイプは最後までちゃんと吸うと60分くらい掛かります。お菓子とディナーのフルコースくらいの違いがあります^^;なので1回吸うだけでお腹いっぱいです。

しかも目を離すと直ぐ火種が消えてしまうので適度に集中しないと最後まで吸えませんなので休憩中にちょっと一服とか歩きタバコなんてもってのほか。

また日本の「煙管」は3服程吸ってお終いです。最近の時代劇でちゃんと煙管を吸えてるシーンは少ないです。パイプ同様、日本ではロストカルチャーになりつつある文化でもあります。
写真は大町山岳博物館に展示してある日本の山登の父と言われる登山家の槇有恒(まき ゆうこう)先生の愛用していた特注のパイプ。見るとちゃんと蓋もあるので持ち運びを想定しての野外仕様です。登山道具ではないこう言った品をあえてアイガー東山稜初登攀の際に持参するのは先生の文化を大事にする人となりが伺えます。
ちなみにボクが山で一服するのはその日の長い山行が終わり、目の前の美しい景色を絵に描きたいと思った時に1回だけです。山行が終わった直後では身体のエンジンがフル回転のままで絵に集中出来ません^^; 気持ちと身体を切り替える際に必要な儀式になっています。なのでボクにとってのパイプは最初に紹介した先住民と同じ意味合いに近いかもです。

最後に山での喫煙はルールやマナーを守るのが大前提です^^; 良識あるジェントルマンの皆さんにはとてもオススメです。
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